谷根千／今日もおでかけ日和

昭和レトロな『谷中銀座スタンプ』

日暮里駅から徒歩で約3分。夕焼けだんだんを下った先に、賑やかな谷中銀座商店街がある。

魚屋、豆腐屋、八百屋、肉屋、総菜屋、洋品店、カフェ、蕎麦屋、江戸民芸品店など、約60店舗が軒を連ねている楽しい通りだ。

写真を撮影したのは平日の昼間だったので、人通りは少ないが、これが土日祝日ともなると、観光客も加わって大いに賑わう。

この商店街にある店のうち、26店舗が共同で発行しているのが、「谷中銀座スタンプ300」。

現金200円のお買い上げごとに1枚もらえて、スタンプシートに貼って70枚集めれば、300円の商品券になる（有効期限あり）。

ポイントカードが当たり前になった今となっては、とても懐かしい、昭和レトロを感じさせるサービスだ。

谷中銀座商店街振興組合のホームページを見てみると、スタンプの歴史が書いてあった。

「スタンプ300」は、もともと「スタンプ500」として、30年前にスタート。
「スタンプ500」は、1冊120枚を貯めて500円の商品券となるサービスだったが、去年の平成20年8月1日から“早く貯めて早くお買い物”ができる「スタンプ300」にリニューアルしたそう。

毎週土曜日はスタンプ2倍セールを、また、毎月1日、15日は、全店で1割引セールを行っている。

以前に比べて、スタンプ加盟店は少なくなっているようだが、完全に無くなってしまうのはちょっと寂しい。
この活気に満ちた商店街、いつまでも変わらずにいて欲しいと思う。

谷中銀座商店街HP
http://www.yanakaginza.com/home.html

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本日の猫

夕やけだんだんの近くにいた子。

何かを警戒している様子だが、一番近くにいる私のことは警戒しなくていいの？

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本日の一品

オットの好きなポテトサラダ。

新じゃがで作ると、やっぱりおいしいね

これぞ本場の味！『讃岐饂飩 根の津』

“本場の味”を東京で味わえる貴重な店として有名な『讃岐饂飩　根の津』。

いつも行列ができているので、平日の夕刻を狙って店に行く。
幸い待ち時間なしで入れたが、あまり広くない店内は、あっという間に満席状態になった。
店に入るのがあと10分遅かったら、けっこう待たされていたかも。セーフ

一回一回、丁寧にうどんをゆでているのだろう、注文してからの待ち時間がチト長い（10分くらい）。
そのぶん、期待も大きく膨らみ、腹はグーと鳴る。

オットが注文したのは、「温・冷2種うどん」（800円）。

通常のうどんの1.5倍ほどのボリュームがあり、名前のとおり、温（きつね、かやく、わかめの3種から選ぶ）と、冷（ぶっかけ、生醤油、とろろ）2種のうどんが楽しめる。

私は「鴨つけ麺」（800円）を注文。

キラキラとした太めの麺が、とにかくキレイ！
見ているだけで、「いい仕事してるな～」という感じ。

一口食べて、そのモチモチとした歯ごたえと、なめらかな食感に感激。
こんなに美味しいうどんと出会ったのは、生まれて初めてかも。

「生醤油うどん」（650円）の説明書きに、「刺身を食べるように麺を喰らう」とあったが、確かにこの店のうどんなら、そうした食べ方が一番ふさわしいのではないかと思われた。

メニューには、揚げもちうどん（800円）、釜めんたいバター（700円）、釜カレー（800円）など、ちょっと変わったものも。

酒の肴は200円～、飲み物は生ビール550円、焼酎500円などと、とても良心的な値段設定。

ビールを飲みながら、うどんがゆで上がるのを待って、その歯ごたえとのど越しを楽しんだら、サッと席を立つのがイキな食べ方かも。

本場の讃岐饂飩の味を知っているオットも、大満足の様子。
「また来よう」って。そういうことを、なかなか言わないヒトなのだが。

本当においしいうどんでした。ごちそうさま。

店は、根津神社表参道のすぐ近くにある。

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『讃岐饂飩　根の津』
文京区根津1-23-16
03-3822-9015
平日　午前11時30分～午後2時30分、午後5時30分～午後9時30分
土日祝日　午前11時30分～午後3時
定休日　火曜（ハッピーマンデーの場合は火曜日に振り替え）

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　本日の一品

オトコの料理シリーズ！
すね肉の赤ワイン煮込み

オットの得意料理のひとつ。

5時間煮込んだというすね肉は、とろとろ状態に。
オットは夜仕事をするので、朝起きてみたら、この煮込み料理ができあがっていた。
パン、サラダ、コーヒーとともにいただく。
ん～、おいしい。
朝から贅沢気分

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本日の猫

体の大きさや毛並みから、手前がお母さん猫、奥のほうが子どものようだった。
千駄木の住宅街にて。

ネパール・インド料理店『ミルミレ』

ネパール人シェフが作る本格ネパール・インド料理と、気さくで日本語の上手な女主人とのおしゃべりが楽しいのが、ここ『ミルミレ』。

店内は異国情緒たっぷり。

深夜0時まで開いているので、遅い夕食となった時は、まずこの店を思い浮かべる。

今回は、コース料理を頼むことにし、オットはミートタリ3000円、私はレディースタリ2800円を注文。

コースには、カレー3種、タンドールチキン、サラダ、サフランライス、焼きたてナン、デザート、アルコールを含む飲み物が付いてくる。

ネパールビールやインドビールもあるが、キリンクラシックラガーを頼むと中瓶が出てきて、ちょっとお得感あり。

ミートタリのカレーは、マトンカレー、チキンカレー、豆のカレー。

レディスタリのカレーは、ベジタブルカレー、チキンカレー、豆のカレーだった。

どれもおいしい

辛さはひかえめにしてくれているので、物足りない人は、テーブルに備え付けの激辛トウガラシをかけて食べるといい。でも、ホントに激辛

焼きたてナンは熱々もちもちでgood。ナンだけじゃなくて、サフランライスも付いてくるところも、コメ好きの私にとっては嬉しい。

10年前にネパールから来日してこのお店を開いたという女主人は、本当に気さくで素敵な方。

彼女が日本に来るきっかけとなった出来事が、また興味深い。

日本の僧侶たちがネパールを訪問した際、同行した僧侶の奥さんたちと知り合いになり、親しくなったことから、来日を決意したのだとか。

だから、寺町・谷中近くにお店を構えることになったのだ。
彼女は出産を日本で経験したのだが、その時も住職の奥さんたちがとても親切に面倒を見てくれたのだという。いい話

「私はこの町に住んで、本当に良かったと思う」

そう言う女主人の顔は、キラキラしていた。

ランチは1000円程度。持ち帰りのランチは600円からある。

ちなみに、店名の『ミルミレ』は、「夜明け」という意味だそうです。

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『ミルミレ』
文京区千駄木2-20-10
03-3824-1418
営業時間　午前11時～午後3時30分
午後5時30分～深夜0時まで
火曜定休

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本日の一品

ヤム・ウンセン（春雨サラダ）

タイ料理のひとつ。春雨に、ゆでた豚挽き肉、トマト、キュウリ、タマネギ、ハーブなどを混ぜ、ライム、砂糖、ナムプラーなどで味付けしたもの。

クセになるおいしさ。酒のつまみにも、ごはんにもよく合う

江戸千代紙の店『いせ辰』

谷根千散歩の際に、ふらりと立ち寄るのにもってこいなのが、江戸からの伝統が息づく老舗『菊寿堂　いせ辰』。

店内には、小粋で優美な江戸千代紙をはじめ、レターセット、ポチ袋などの紙工芸品、いせ辰オリジナル柄の手ぬぐい、ハンカチ、風呂敷、ランチョンマットなどが、ところ狭しと並べられている。

店のディスプレイには、夏を先取りした団扇が並べられていた。涼しげ～

4月ごろまでは、大きな江戸犬張子が展示されていた。

犬は災いを退け、多産でお産が軽いことから、安産奇岩・出産祝いの贈答品として親しまれているそう。

『いせ辰』は、元治元年（1864）創業。

木版手刷りで製造されてきた江戸千代紙の柄は、四季折々の花鳥風月、七夕や七福神詣でなどの年中行事、鯛やお多福などの縁起物、羽子板や鞠、凧など懐かしい遊びや郷土玩具などをモチーフにしており、中には竹下夢二デザインのモダンな絵柄もあり、今に受け継がれている。

千代紙の版木は、刷りを重ねるたびに磨耗する消耗品で、中には絶版になってしまった絵柄もあるとか。

その絵柄を楽しめる本『いせ辰　江戸千代紙』（ピエ・ブックス刊、2200円＋税）も店に置かれている。

オールカラー、179種類もの絵柄は、眺めているだけで楽しい。

私が購入したのは、こちらの江戸千代紙『菖蒲』（約37cm×50cm）。

河鍋暁斎（かわなべきょうさい）という、幕末から明治にかけて活躍した天才絵師の原画を複製したもの。

本物の木版手刷りのものは約3000円と高いが、こちらなら和紙に機械印刷したもので、840円と手軽に楽しめる。

さっそく、ガーデニングに使用して余ったすだれに絵を貼り付けて、壁に飾った。

立秋が過ぎた頃に、今度は秋の絵柄を買おう。

谷中本店のほかに、団子坂交差点すぐ近くに千駄木店もある。

とても近距離にあるのがちょっと不思議な感じ。

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『いせ辰』谷中本店
台東区谷中2-18-9
03-3823-1453

『いせ辰』千駄木店
文京区千駄木2-34-6
03-3823-7810
営業時間　午前10時～午後6時
無休

ありがたいお言葉

谷中周辺は寺町なので寺院が多い。

ぶらぶら散歩をしていると、寺院とお墓がやたら目につくが、おどろおどろしさはまったくなく、町の風景に自然と溶け込んでいる。

寺院の前を通り過ぎる際に、ふと目に留まるのが、入口近くの掲示板に貼ってある「お言葉」。

何となく押しつけがましさを感じるものもあるが、ハッとさせられるものもあるので、ご紹介したい。

まずは法蔵院（台東区谷中1-6-26）。

なるほど…。

続いて天王寺（台東区谷中7-14-8）。谷中七福神のうち毘沙門天が祀られている。

本当にその通りでございます…。

それから、世尊院（文京区千駄木1－22－30）。

恐れ入りました…。

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本日の猫

本通寺（台東区谷中4-2-33）にて。超リラックスモード。

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本日の一品

合い挽き肉を使ったシシカバブもどき。串が無いから使わなかったが、ニンニクの芽やアスパラ、いんげんなどを串代わりにするといいらしい。

近所に咲く 花＊花

2月の梅から始まり、ご近所散策で実にいろいろな花々と出会った。

町の住人さんたちが、庭や家の前で植物を育ててくださっているおかげだ。

クレマチス（テッセン）はいろいろなところで見かけた。

青も咲けば…

白も咲く。

キンポウゲ科のつる植物。いろんな品種がある。

5月といえば薔薇。バラ科の植物。薔薇全般に言われる花言葉は「愛」「美」「幸福」など。

バンマツリ（蕃茉莉）は白と紫の小さな花が咲き乱れる感じで美しい。
最初は紫色をしているが、次第に減色して白い花になるそう。へえ～。ナス科。

華やかなクジャクサボテン(孔雀仙人掌)。名前のとおりサボテン科。

これは…ピラカンサス？

ユスラウメ（桜桃）の実。子どもの頃に食べた記憶がある。なつかしい。

可憐なマーガレット。キク科の植物。

茹で上がった海老にそっくりのコエビソウ（小海老草、ベロペロネ）。キツネノマゴ科…という科に属しているらしい。

そして、そろそろ紫陽花の季節。日本原産で、学名のハイドランジアは「水の器」という意味だそう。

我が家のベランダでは、ローズマリー、スイートバジル、イタリアンパセリなどのハーブ類や、空芯菜、紫蘇、香草（パクチー）などの野菜を育てている。料理に使うのが毎回楽しみ。

植物に関しては素人なので、花の名前で間違いがあったら、どなたか教えてください。

谷根千が舞台の小説『喋々喃々』

『食堂かたつむり』でおなじみの小川糸さんの新作。

谷中のヒマラヤ杉の近くでアンティークきもの店「ひめまつ屋」を営む栞（しおり）が主人公。

栞は、客としてふらりと店にやってきた木ノ下春一郎に心惹かれるが、彼の左手の薬指には指輪が光っている。

しかし、カフェ『千駄木倶楽部』でお茶をし、湯島天神へ続く夫婦坂で手をつないで散歩し、江戸前寿司『乃池』で持ち帰りにしたあなご寿司を一緒に食べ…、と逢瀬を重ねていくうちに、互いに無くてはならない存在になっていく。

着物姿のヒロインと、谷中を中心とした街の情景、下町気質を感じさせる生まれながらの住民たち、近所の料理屋などのおいしそうな食事のシーンなど、ジャパネスクをたっぷり堪能できる作品。

私は谷中銀座にある本屋『武藤書店』で購入したのだが、作中に登場してくる実在の店などを紹介した無料の地図を配布していた。

不倫をテーマにしているせいか、Amazonのカスタマーレビューなどは辛口のものが多い。
確かに、物語の進行や登場人物たちはすべてヒロインの都合の良いように動き、谷中周辺の情景も栞の“引き立て役”のようになってしまっており、ヒロイン（≒作者）のナルシシズムを強く感じてしまう。

そのへんは抜きにして、下町情緒を味わうにはお勧めの本。
特に、食事のシーンの描写は秀逸。

『喋々喃々』
ポプラ社刊
1575円

昔ながらの中華屋さん『砺波』

昭和12年生まれのご主人が、奥様と一緒に切り盛りしている『砺波』（となみ）は、団子坂交差点から三崎坂をちょっと入った右手にある。

昔からの、どこにでもあるような大衆中華料理屋さんで、そこがまた良い。

ラーメン 550円、チャーシュー麺 700円、チャーハン 600円など定番メニューのほか、店おすすめの焼肉定食 600円、オムライス 600円、カレーライス 600円、ピータン 800円、かに玉 1100円などもあり、かなりバラエティ豊か。

オットが頼んだのは上海五目炒麺（やわらかい五目焼きそば）650円。ちょっと油っぽかったかな…。

私は中華丼 750円。チャーシューに目玉焼き、野菜もたっぷりで、こちらはなかなかおいしかった。

前回入った時は、ラーメンとチャーハンを注文。期待していた通りの“町の中華屋さんの味”を堪能した。

常連の1人客が多いようだが、外の食品サンプルと安さにひかれて外国人観光客もたまにやって来る。

いつもニコニコ、愛想のいい接客をするおかあさんの顔を見に、また来ようと思う、昭和の香りいっぱいの店。

大きな地図で見る

『砺波』
台東区谷中2-18-6
03-3821-7768
午前11時～午後3時、午後5時～10時30分
毎週水曜定休

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今日の一品

こごみの胡麻和え

こごみは、草蘇鉄（くさそてつ）というシダ類の若芽で、山菜の一種。
アクはなく、味にもクセはないので食べやすく、胡麻和えにして食べるとおいしい。
山梨在住の親戚からいただいた天然♪

本『東京てくてくすたこら散歩』

最近ブームとなっているお出かけ本の中でも、「お散歩行きたい～」と思わせ度の高い一冊。

吉祥寺、根津・谷中、二子玉川、浅草、築地、神楽坂、青梅…。
人気の雑貨＆料理スタイリストの伊藤まさこさんが、友人や子どもと一緒に、おしゃれでかわいいギャラリーや雑貨店、カフェ、公園、美術館など70ヶ所あまりを散策する。

伊藤さんがてくてく、すたこらと散歩をしている様子や、何気ない街の風景を切り取った写真が素敵で、街のパン屋さんや、雑貨屋さんで購入した“散歩の収穫”も見逃せない。

根津・谷中では、以前このブログで紹介した根津神社、朝倉彫塑館、丁子屋のほかに、「根津のたいやき」、「谷中せんべい」など11ヶ所が紹介されている。

『東京てくてくすたこら散歩』
文藝春秋社刊
1200円

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本日の一品

鯖の山椒味噌焼き

味噌と砂糖、水を鍋にかけ、とろりと煮詰めたら、刻んだ生の山椒の葉を入れて混ぜ、それを鯖の切り身に塗って焼く。
山椒の葉は多めに入れるのがミソ

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本日の猫

谷中通り商店街にて。

子どもに撫でられても気にせずじっと動かない。

このあたりの猫は、本当に人間に慣れているな～

谷中が舞台の『寺内貫太郎一家』

1974年（昭和49年）にTBSで放送された向田邦子原作・脚本、久世光彦プロデュースの『寺内貫太郎一家』は、谷中が舞台のホームコメディ。

40代以上の人ならほぼリアルタイムで見ていたであろう、昭和という時代を生きる人々の姿と、下町の雰囲気をたっぷり堪能できる作品だ。

三代続く老舗の石屋の主人・寺内貫太郎（小林亜星）は、谷中霊園の入り口近くに店を構えている。

昔堅気で気の短い貫太郎は、100キロの巨体を揺らしながら、事あるごとに“ちゃぶ台”をひっくり返し、息子の周平（西城秀樹）と取っ組み合いの喧嘩をする。

そんな貫太郎を甲斐甲斐しく支えるのが、妻の里子（加藤治子）。
姑・きん（悠木千帆、後の樹木希林）の意地の悪い言動もサラリとかわし、墓石の下敷きになって片足が不自由になった娘の静江（梶芽衣子）の将来を思い、浪人中の周平を励ましている。

貫太郎と里子は、すでに30年前の当時から「今は滅多に見られなくなった、古き良き時代のガンコ親父と献身的な妻」で理想的な夫婦と言われていた。

家族の間にほぼプライバシーはなく、子どもたちの性や恋愛、結婚問題についても、家族みんなで話し合おうという姿勢は、今ではちょっと信じがたい徹底ぶり。

老い、孤独、貧困、戦争といった重いテーマもからませ、ストーリーに厚みをもたせている。

寺内一家を取り巻く隣人たちも、若き日の横尾忠則、藤竜也、吉行和子、由利徹など、豪華な顔ぶれ。
居酒屋「霧雨」の女主人・お涼を演じた篠ひろ子（当時は篠ヒロコ）の匂い立つような美しさよ。
私は、石屋の職人「イワさん」を演じた伴淳三郎の大ファンになってしまった。

沢田研二の大判ポスターの前で「ジュリ～」と言いながら体をくねらす悠木千帆の姿もなつかしい。
屋根の上で、西城秀樹と浅田美代子が白いギターを持って歌う「しあわせの一番星」も時代を感じさせてくれる。

この後は、『寺内貫太郎一家2』もひかえている。
しばらくしたら、シリーズ第2作目も見てみよう。