谷中の路地裏にひっそりとたたずむ、趣のある博物館。
一度、夏に訪れてみたのだが、7月1日から9月30日の3ヶ月間は毎年休館なのだそう。
看板には「掟」の文字が。
ようやく入れた館内には、名前の通りさまざまな種類の大名時計が展示されている。
谷中生まれの陶芸家・上口愚朗氏が収集し、2代目の上口等氏が昭和49年に開館したものだという。
大名時計とは、ざっくり12の刻でしか時間を知ることができなかった江戸時代において、文字通り“お大名様”のみが所有できた富の象徴ともいうべき逸品。
台の形が櫓(やぐら)に似ていることから名付けられた櫓時計をはじめ、舶来ものの懐中時計を真似た印籠時計、お香をたく時間で時を知らせる香盤時計など、ユニークな時計が多数並んでいる。
これらはみな、24時間の定時法ではなく、日本固有の「不定時法」が用いられている。
展示されている時計の中で、1台だけ現役で動いているのがうれしい。
館内は、その時を刻む音だけが静かに響き渡り、ちょっとしたタイムスリップ気分も味わえる。
場所は少々分かりづらいが、路地の入口に標識が出ている。
以前見たテレビ番組でこの博物館のことが紹介されていたのだが、こんな言葉が記憶に残っている。
「時計まで季節を味わっている」
『大名時計博物館』
台東区谷中2-1-27
03-3821-6913
午前10時~午後4時
毎週月曜休館
7月1日~9月30日および12月25日~1月14日まで休館
大人300円、高・大学生200円、小・中学生100円
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