かつての上流階級の暮らしを今に伝える『旧安田邸』は、大正8年、千駄木のお屋敷町に建てられた近代和風住宅。
遊園地「豊島園」の創設者で名を知られる実業家・藤田好三郎氏が、贅を尽くして建築したもの。
“普請道楽”だった藤田氏は、建築そのものに興味がおありだったようで、大正12年、関東大震災で家を焼かれた旧安田財閥の安田善四郎氏に、このお屋敷をあっさりと譲り渡した。
そして平成7年、ご当主の楠雄氏が亡くなり、莫大な相続税の支払いに困った幸子夫人が、翌年に日本ナショナルトラストに寄贈して、平成19年4月から一般公開されるようになったそう。
入口には、ボランティアの方が待機していて、館内を案内してもらえる。
洋風の応接室には、幸子夫人が嫁いだ際に持ち込まれたソファが置かれている。
応接間は洋風だが、ほかは伝統的な和風建築なので、敗戦後も米軍に接収されることはなかったという。
当時使われていたままの照明や電話機もある。
関東大震災と空襲の被災を免れた窓ガラスはとても貴重なもので、太陽の光を通すとまだらに影ができる。
長い長い廊下には、畳が敷き詰められている。
廊下の先には、美しい中庭が控えている。
春には桜、秋には紅葉が楽しめる。
写真左は幸子夫人のお父上、写真右は作家の森鴎外。
ともにドイツで学んだ留学仲間だったそう。
当時の最新式だった贅沢な造りの台所は、さまざまな工夫が施されている。
立ち入りは禁止だが、関係者の方がお茶をたてていた。
2階の床の間。右側のお茶をたてるスペースは、端午の節句の甲冑などの飾り壇と、雛祭りの雛壇がピッタリ納まるサイズに設計されているそう。
戦時中、焼け出された人々は2階の大広間で寝起きをさせてもらい、板敷の上で各自が煮炊きをしていたという。
窓からの眺めもまた素晴らしい。
入館ギリギリの時間に見学したため、出る頃には門が閉められていた。
『旧安田邸』で開催されるイベント情報などはこちらのブログ
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『旧安田邸』
文京区千駄木5-20-18
一般公開 毎週水・土曜
午前10時30分~午後4時
入館は午後3時まで
維持修復協力金 大人500円 中学生・高校生200円
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本日の猫
カメラ片手に近づいたら、プイと背を向けられてしまった。
谷中銀座商店街近くにて。
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本日の一品
いわしのつみれ汁
オットにさばいてもらった新鮮ないわしを使っているので、魚くささもあまりなく、おいしくいただきました。ヘルシーで、くせになる味。
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