谷根千散歩の際に、ふらりと立ち寄るのにもってこいなのが、江戸からの伝統が息づく老舗『菊寿堂 いせ辰』。
店内には、小粋で優美な江戸千代紙をはじめ、レターセット、ポチ袋などの紙工芸品、いせ辰オリジナル柄の手ぬぐい、ハンカチ、風呂敷、ランチョンマットなどが、ところ狭しと並べられている。
店のディスプレイには、夏を先取りした団扇が並べられていた。涼しげ~
4月ごろまでは、大きな江戸犬張子が展示されていた。
犬は災いを退け、多産でお産が軽いことから、安産奇岩・出産祝いの贈答品として親しまれているそう。
『いせ辰』は、元治元年(1864)創業。
木版手刷りで製造されてきた江戸千代紙の柄は、四季折々の花鳥風月、七夕や七福神詣でなどの年中行事、鯛やお多福などの縁起物、羽子板や鞠、凧など懐かしい遊びや郷土玩具などをモチーフにしており、中には竹下夢二デザインのモダンな絵柄もあり、今に受け継がれている。
千代紙の版木は、刷りを重ねるたびに磨耗する消耗品で、中には絶版になってしまった絵柄もあるとか。
その絵柄を楽しめる本『いせ辰 江戸千代紙』(ピエ・ブックス刊、2200円+税)も店に置かれている。
オールカラー、179種類もの絵柄は、眺めているだけで楽しい。
私が購入したのは、こちらの江戸千代紙『菖蒲』(約37cm×50cm)。
河鍋暁斎(かわなべきょうさい)という、幕末から明治にかけて活躍した天才絵師の原画を複製したもの。
本物の木版手刷りのものは約3000円と高いが、こちらなら和紙に機械印刷したもので、840円と手軽に楽しめる。
さっそく、ガーデニングに使用して余ったすだれに絵を貼り付けて、壁に飾った。
立秋が過ぎた頃に、今度は秋の絵柄を買おう。
谷中本店のほかに、団子坂交差点すぐ近くに千駄木店もある。
とても近距離にあるのがちょっと不思議な感じ。
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『いせ辰』谷中本店
台東区谷中2-18-9
03-3823-1453
『いせ辰』千駄木店
文京区千駄木2-34-6
03-3823-7810
営業時間 午前10時~午後6時
無休
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